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旅の思い出(2) 手紙、、、僕らの場合

2010 年 12 月 5 日 2,511 views No Comment

『手紙、、、僕らの場合』(2005年 日記より)

きっと頭に超が着くほどのアナログ人間である俺は、当然のごとくパソコンなるものに触るのが極めて遅かったクチである。
それでも最近一年ほど前からは仕事の関係でこの2進法を使ってできているという箱の前に座ることが多くなっていった。
時代の流れを感じて必要を感じて、実はこの魔法の箱を購入したのはおよそ5年前。そして時代は更に加速して流れ、使い始めた時にはすでに旧型の魔法の箱となっていた。

安宿の薄暗いレセプション前に並ぶパソコンは、いつも満席でさまざまな色の目がそのチラチラ光る画面とにらみ合っている。
「こいつらは旅をしてんのか?パソコンしに来てんのか???」
旧型サーファー、アナログな俺には???であった。

「旅先で友達ともすぐに連絡つくし、日本シリーズの結果もすぐにわかるし、なにより行く先の町の情報がなんで手に入りますからね。それは便利ですよ!」

「そりゃ便利だねぇ、たぶん、きっと、、ハァ???」

「世界中の任天堂世代。ゲームボーイ、ゲームガールが旅をしてるんだから当たり前か!」とひとりその場は納得することにした。
その昔旅をする者どうし、連絡の方法はもっぱら手紙が使われていた。まぁそれしかなかったわけだが、、。メールの時代と手紙の時代の間にポケベルの時代があったのかどうかは定かではないが俺は思いっきり手紙世代所属なのである。

かの有名な安宿のレセプションにもメールボックスなるものがあってそこには友人宛てに世界から送られてきた手紙や絵葉書がその受取人の現れるのをじっと待っていた。当然行き違いで数年経った消印のものもあったりもする。読むべき人が現れるまでその手紙に込められた想いはずっとその小汚い箱の中だ。

絵はがきには見慣れない様々な文字と切手と風景があってダウンタウンの一角の宿のレセプションの湿った空気には決して似合わないようなものもあった。すでに変色して古本屋で売られている絵はがきのように成り果てたモノもある。
旅人には帰る場所を持たずに今居るところが現住所というような人たちも多いので宿の住所を私書箱代わりに使うのだが、長い長いその旅先で命を落としてしまう場合もあるだろうし、どこかの土地に根を下ろして旅を中断してしまう場合もあるだろう。
届かぬ想いボックスはせつなく、まるで捨て猫のようであった。

現在主流の旅人のツール、メールにはメールの便利なところがもちろんあって今現在外国生活をする俺にはその便利さは充分にわかっている。しかし今でも大切なことや気持ちを友人や家族に伝えたいときには手紙を書くことにしている。
手紙をもらったことのある人には説明は要らないと思うがとにかく手紙は受け取って封を切る時がなにせうれしいのである!

間違ってクチュクチュとか消してあっても、コーヒーか、磯辺焼のしょう油のしみなんかがついていると尚もうれしかったりする。
『手紙には気持ちがこもって、メールは気持ちがこもらない』なんてことは言わないが、なによりメールと違って手紙には時間と労力がかなりかかる。
便箋を買って、手紙を書き、漢字を調べて、住所を調べて、後日郵便局へ出向き、ならんで、それから手元に届くまで一週間以上かかったりするわけだ。手紙は文字通り、人の手から手へと渡ってしょう油のしみまで手元に届けられる。メールとは比較にならないほどの手紙を書き終えるまでの時間、出しに行く時間、、手紙にはそういう時間までが一杯詰まっているから嬉しいのかもしれない。

昔、ある島にひとり一ヶ月以上のキャンプをしていた時のこと。オーストラリアに住む友人から絵葉書が届いた。

住所の欄を見ると
[・・・浜 真ん中 緑色のダンロップのテント]

とあって、郵便局のおじさんが自転車で40分くらい掛かるだろう村はずれまで届けてくれた。

「すみませ〜ん!すみませ〜ん!」

テントの外に出てみると汗だくのおじさんが葉書に書かれた宛名のオレの名前を呼んでいた。

「おじさん、ありがとう!お茶入れるから飲んでってよ!」

焚き火で湯を沸かし、二人並んで海を眺めながらお茶をした。

「郵便の仕事長いことしてるけど、こんなのは初めてだったよ。 笑」

おじさんはお茶を飲み干すと「その、おすとらりあの友人にもよろしくね。」と言って村へ戻っていった。

ゴールドコーストの青い海、白いビーチ、赤道を遥か越え、海を更に越えて手から手と届けられた絵葉書には友人の見慣れた汚い字が並んでいた。

<追記> 5年前に書いた日記より。

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